♪~♪~

「もしもーし、どうした?」

陸斗の携帯が鳴る

「あ~そっか、わかった!今から行く」

「何か部活でトラブったみたいだから、ちょっと俺学校に戻るわ!今日は俺の奢り♪じゃぁね、みぃちゃん!」

そう言って陸斗は学校に戻った



あいつが居なくなってから沈黙が続く

こういう時陸斗の有り難さがわかる



「とりあえずLINEでも交換しとく?」

「あ……私携帯持ってないんです」

「え?」

このご時世携帯を持たないなんて何てレアな人種だろう……


「あ、欲しいなぁっては思ってるんですけど……
何を買えばいいか分からないし、親が近くに居ないので同意書も貰えないんです」



「……わかった、ちょっと一緒に来てくれる?」


2人でカフェを出ると
小石川は1歩後ろをついてきた


向かった先は携帯ショップ
スタッフが近づいてくる

「あ、一葉くん!楠木さん接客中だからちょっと待ってて」

近くの席に小石川を座らせてセルフのお茶を取りに行く
1つを小石川に渡して俺も隣に座った


「先輩……ここって……」

「あぁ、ここで俺の母親働いてんの。」

「そうなんですね」

まぁ、ダメ元で聞いてみるだけなんだけど……

「一葉?珍しいわね、どうしたの?」

接客を終わらせた母さんが来た
小石川は立ち上がり一礼する

「お友達?一葉の母です!」

「小石川 三葉です!!……えっと……」

「彼女……俺の彼女」

「あら!そうなの?一葉迷惑かけてないかしら?」

「いえ……」

「相談なんだけどさ、こいつ親が近くに居なくてさ、携帯買えないんだけど……俺名義とかで買うこと出来ないの?」


「出来るわよ?母さんが同意すればだけど、
でもこんなに可愛い子が携帯持ってないなんて物騒ね!何かあった時連絡すら出来ないじゃない」

「だろ?だからお願いに来た」

ダメ元のつもりで頼んでみたけど結構物わかりのいい母親で良かった

「え……でも」

小石川は戸惑っていたけど
とりあえず携帯がなければ何も出来ない

俺と母親は小石川を半分無視して手続きを始める

変な気をきかせた母さんは俺の携帯と色違いのものを持ってきた

同じ機種だと俺でも教えれるから、という事らしい