「みぃちゃんは何で転入してきたの??」


陸斗はまた余計なことを聞く

「私…家庭の事情で1人暮しする事になって、
前の学校だと家から遠いからこっちに転入したんです」


家庭の事情か……


気になるところではあるけどここは何も聞かないのが1番だろう


「へぇ!みいちゃん一人暮らしなんだ!」


そう言うと陸斗は黙り込む


(ほら、そうなるだろ)


俺はグラスに目をやり汗をかいたコップの中の氷をかき混ぜた


沈黙が流れ
陸斗も気まずさを察知したのか
俺の真似をして氷をかき混ぜた


その時だった


『可愛いのに全く笑わないらしい』


そう言われていた小石川が笑った


ほんの少しだけクスッと笑った


俺と陸斗はその笑顔を凝視する


まるで天使が微笑んだように心が温まる笑顔だった