~奈古千隼~ お盆に鳰さんの家族と会い、それからも鳰さんとは割と頻繁に会っていたのだと思う。 学生と社会人ではあっても、なんせ毎日通う場所も、住む場所同じだというのは、利点であった。 季節は夏から秋を過ぎ、クリスマス前日、俺は鳰さんとカラオケに来ていた。 イブの夜なのに、街の綺麗なイルミネーションを見に行くのではなく、カラオケに行きたいと言ったのは鳰さんで、声が出る今の時間を鳰さんは楽しもうとしているのが分かった。