「あぁ、持って来てくれたんですね、ありがとうございます。俺も鳰さんから借りてたタオル返したくて」

 奈古君は中に引き返すと姿を消し、私は初めて奈古君の部屋を目にした。

 手前にキッチンがある作りは私の部屋と変わらないが、奥の部屋には青いソファーが見えた。奈古君はここに住んでいるんだ……。

「待たせてすみません。これ、ありがとうございました」

「いえ、わ、私こそ」