それから、俺と遥斗は、名前で呼べる仲になった。

それを1番に話したのは、恒輝だった。
「なぁ!恒輝!俺、友達できたんだ!」
「よかったじゃねーかよ!これからも仲良くやるんだぞ?」
と、頭をくしゃくしゃいじる、恒輝。
「わーってるよ、俺がいつも命令してっから大丈夫だろ」
「彼女も作れよ?」
「恒輝もだろ、」
...と、言うと少し、あたあたした様子の恒輝。
「俺、彼女いっから。」
「え?マジかよ、いつから?」
「結構前。」
「前に俺が会いに行った時はいた?」
「いた。」
...恒輝も秘密のひとつやふたつは、あるよな。
ましてや、イケメンだし。

学校で。
「おーいー!なんでそんなに素っ気ないんだ?」
と、肩を揺する遥斗。
「...え?そうか?」
「うん、いつもの葵威じゃねーぞ?」
...なんか、恒輝が彼女作ったって聞いてから、自分も欲しいと思うことが増えたかもしれない。

でも、俺は普通じゃないから、どうせ無理なんだろうけど。
「なぁ、彼女っていたらいいかな?」
「あー、彼女?俺、夢あんだよね。彼女を俺の元に引き寄せて、コイツ俺のだからって言うの!もーう、ロマンティックぅー!」
...キモ。
「いや、そんな冷たい目で見んなよー!俺がすべったみてーじゃねーかよ」
「いや、もう、すべってます。」
...やっぱ、遥斗といると、笑えるわ。

友達ってこんなに素晴らしいんだな。

それは遥斗だからかもしれないけど。