その日の夜、兄さんの友達の恒輝がお見舞いに来た。
「よう、葵威。楓馬、亡くなったんだってな。」
と、泣いている恒輝。
「あいつ、俺をかばったんだよ...、おれなんかを...」
恒輝は、俺の話を遮った。
「違うだろ!?楓馬は、お前が大好きだったんだよ!いっつも俺に話してたよ、葵威が葵威がって。だから自信持てよ、楓馬がお前の命の恩人なんだろ?」
...そうなのか...?兄さん、なんでそんなっ!?

「これから、俺が楓馬の代わりになってやるから」

この一言から、俺は、恒輝の家に通うようになった。
2人で兄さんの昔話をしたり、ゲームしたり、時には勉強もちゃんとしたり。

...そうして今に至る。
恒輝とは、相変わらずの仲だったが、父さんも母さんも俺達の仲を決して許さなかった。
兄さんは、許したのに。

それから、中学はあんまり行かなくなった。


俺は探していたのかもしれない。

俺を変えてくれる人を