それでも君が、
笑顔で私の名前を呼んでくれたこと
可愛いって言ってくれたこと
頬を撫でてくれたこと
優しく抱きしめてくれたこと
キスをしてくれたこと
全部忘れられなくて。
私だけが、全部忘れられなくて。
「最悪のクリスマスだ」
1人で過ごす自分の部屋の教材が散らかった机の前で小さく呟いた。
毎日毎日、国家試験のための勉強に追われて。
心が折れそうになっても頼れる人もいなくて、自分で自分を励まして。
君に会いたい、なんて思ってもどうせ断られると思って連絡する勇気も出なくて。
「こんな事なら連絡しとけばよかった」
教材の文字がどんどん滲んで見えてきて、ページにシミを作ってしまった。

