灯りを消してしばらく経って目が慣れてきた。
「ユカリ」
そう私を呼ぶトウマは、どことなく切ない表情。
「おいで」
わざと布団を離しているのに、トウマが誘ったのは2人で入るには狭いシングルサイズの布団。
「ほら、早く」
急かしてくるので仕方ないな、なんて思いながらトウマの布団に入る。
昔は一緒の布団に入っても狭くなかったのに、今はキツキツ。
トウマもそう思ったのか、あろう事か私を抱きしめた。
「トウマ!?」
「うるさい。
……泣けば?」
『一粒も涙なんか出てないよ』
私が言った言葉を思い出した。
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