「よせよこんな話。
彩芽ちゃんが俺に言ってきた。
風太のやつまだ薫ちゃんのこと
忘れてないって。
どうしたら薫ちゃんの分を
補えるのかなって。
私でいいのかなって。」

なにも言えなかった。

「お前、彼女にこんなこと悩ませてんだぞ。
恥ずかしくないのかよ。」

男として本当に恥ずかしい。

藤田は続ける、

「お前にとって薫ちゃんの存在は
大きいのかもしれない。
でも!決めたんじゃねぇのかよ!
彩芽ちゃんしか見ないって!
言ったじゃねぇかよ!
目を覚ませよいい加減!」

こんなに怒る藤田は初めてだった。

下を向いて黙ることしか出来ない。