映画が始まった。

きてた上着を持って顔を隠しながら
横でビクビクしながら見ている。

僕も怖いのは得意じゃない。

バンッ。

「キャッ。」「うわっ。」

怖くなり何かを掴もうとした。

「あっ。」

お互い恐怖のあまり手を握っていた。

比野さんの握る手は小さくも
力強い。

映画中ずっと手を握ったまま
エンドロールが流れた。