「河上くんの好きな私は、
もうどこにもいないの。
昔の私なんてどこにもいないの。
だからこれ以上私との過去を求めないで。」

僕はぎゅっと彼女を抱きしめた。

それくらいしか僕にはできなかった。

泣き止むまでずっと抱きしめた。