「だから、だから。薫のこと諦めて……。」

溢れ出る涙を必死に抑えていた。

「私を好きになって!!!」

なんて返せばいいのか分からなかった。

「薫を追いかければ追いかけるほど
風太くんは辛くなるだけ。それでもいいの?」

「俺は諦めないよ。薫のこと。
だから比野さんのことは好きになれない。」

「絶対後悔するから。絶対に。」

その子は少し強めにドアを閉め
出て行った。

僕は1人教室に取り残された。