高校生活が始まり一週間ほど
たったある日。
クラスでも目立っている藤田という奴が
とびきりの笑顔で僕に絡んできた。

「なぁ、お前知ってるか?
1組にめっちゃ可愛い子がいるらしいぜ。
お前も見てみたいだろ?」



「見たい!」


気づいたときにはその言葉を発していた。



放課後その噂の可愛い子が
いる1組に待ち伏せした。

噂はさっそく広まっており各クラスから
男子がわんさかその子を目当てに
集まっていた。

教室のドアが開いた。
中から1人だけ明らかに
違うオーラを放ちながら出てきた。

みんなそれまで口々喋って
いたのが、一気に静まり返り時間が
ゆっくりと流れていった。

藤田は口を閉じるのを忘れていた。