僕は彼女に昔のツーショットを見せた。

「誰?すごく似てるねこの人。
河上くん彼女いるんだね。」

あの頃と同じえくぼを見せて
微笑んだ。

「ちがう。」

僕の言葉は周りの声にかき消された。

彼女は信じてはいないようだ。

僕たちが恋人だったと今は言えなくて

「ねぇ、君は過去のことは本当に何も
覚えてないの?」

僕が質問を投げかけると彼女の微笑みが
消えた。