きっかけは分からない。ただ、親友である柴崎真琴に
「一緒にいることに疲れた」と言われたのだ。

私は今まで喧嘩というものをしたことがなかった。

揉め事が昔から苦手で、自分が何もしていなくても謝ろうとする癖がついていた。

今回もそうだった。
今回は思い当たる節はある。
早く謝ろうと思った。
いつも待ち合わせに遅れてしまうこととか、

真っ直ぐで強い真琴とは違い、ぐちぐちと悩むこととか、

直ぐに落ち込んでいる姿を見せてしまうところとか

苦手な人の前でもニコニコしていたこととか。