「練習の時間になっても……来ないんだよ。部活に」
「えっ……」
驚いた頭の中で、どこか冷静な自分が『やっぱりか』って囁いてた。
最近の二塚くん、ずっと何か思い詰めたような曇った顔をしてたから……。
「今まで一回も、部活休んだことなんてないのに……」
(二塚くん……どうしちゃったんだろ)
市原くんにもいつもの落ち着きが無い。
きっと、親友の市原くんにも何も言えなかったんだ。
「見つけたら連絡するよっ」
再び二塚くんを探しに駆け出した市原くんに遅れて、わたしも教室を飛び出していた。
どうしても一カ所だけ、気になる場所があったから。
裏庭に続く階段を、一気に駆け降りた。
「ここに居たんだっ」
「……上総」
裏庭の校舎の壁。
そこに制服姿で座り込む二塚くんに、そっと歩み寄り、視線を合わせた。
その視線から逃れるように、二塚くんは顔を俯かせる。
(市原くんにも言えなかったんだもんね……)
わたしが尋ねたところで、二塚くんが打ち明けてくれるとは思えない。
だったら、わたしに出来ることで二塚くんの気持ちを少しでも和らげてあげたかった。
「えっ……」
驚いた頭の中で、どこか冷静な自分が『やっぱりか』って囁いてた。
最近の二塚くん、ずっと何か思い詰めたような曇った顔をしてたから……。
「今まで一回も、部活休んだことなんてないのに……」
(二塚くん……どうしちゃったんだろ)
市原くんにもいつもの落ち着きが無い。
きっと、親友の市原くんにも何も言えなかったんだ。
「見つけたら連絡するよっ」
再び二塚くんを探しに駆け出した市原くんに遅れて、わたしも教室を飛び出していた。
どうしても一カ所だけ、気になる場所があったから。
裏庭に続く階段を、一気に駆け降りた。
「ここに居たんだっ」
「……上総」
裏庭の校舎の壁。
そこに制服姿で座り込む二塚くんに、そっと歩み寄り、視線を合わせた。
その視線から逃れるように、二塚くんは顔を俯かせる。
(市原くんにも言えなかったんだもんね……)
わたしが尋ねたところで、二塚くんが打ち明けてくれるとは思えない。
だったら、わたしに出来ることで二塚くんの気持ちを少しでも和らげてあげたかった。

