「諫音が、俺と一緒じゃないとレギュラーにならないって言うから……」
そしてまた、二塚くんの視線が下に向いた。
その顔が苦しそうに見えるのは、わたしの勘違いなのかな……。
「だから、俺はレギュラーで居られるんだ」
どちらともなく黙り込み、わたしたちの間には静かな空気だけが流れる。
「……そろそろ戻らないと、諫音が待ってるよ」
先に沈黙を破ったのは、二塚くんの方だった。
促されるように時計に目をやれば、もうすぐ休憩をはじめてから三十分が経とうとしている。
「ホントだ……。じゃあ、戻るね」
立ち上がり、スカートの埃を軽く叩く。
それに合わせて、隣の二塚くんもゆっくりと立ち上がった。
「これ、ありがとう」
飲みかけのペットボトルを軽く上げ、小さく笑う。
「ううん。……がんばってね」
校舎の窓から覗いた裏庭には、何かに追い詰められたようにボールを蹴り続ける二塚くんの姿があった。
(……二塚くん)
そしてまた、二塚くんの視線が下に向いた。
その顔が苦しそうに見えるのは、わたしの勘違いなのかな……。
「だから、俺はレギュラーで居られるんだ」
どちらともなく黙り込み、わたしたちの間には静かな空気だけが流れる。
「……そろそろ戻らないと、諫音が待ってるよ」
先に沈黙を破ったのは、二塚くんの方だった。
促されるように時計に目をやれば、もうすぐ休憩をはじめてから三十分が経とうとしている。
「ホントだ……。じゃあ、戻るね」
立ち上がり、スカートの埃を軽く叩く。
それに合わせて、隣の二塚くんもゆっくりと立ち上がった。
「これ、ありがとう」
飲みかけのペットボトルを軽く上げ、小さく笑う。
「ううん。……がんばってね」
校舎の窓から覗いた裏庭には、何かに追い詰められたようにボールを蹴り続ける二塚くんの姿があった。
(……二塚くん)

