『The story of……』

「市原くんってホントに、二塚くんと仲良いんだね」


「まぁ……否定はしないけど」


「うらやましいな」



この二人の仲の良さは、中学の時から有名だった。


(自他共に認める親友同士なんて、そうそう見つかる相手じゃないもんね)


思わず漏らしたわたしの一言に、市原くんは不思議そうに首を傾げた。



「隆丑と仲良くなりたいのっ?」


「えっ! そういう意味じゃなくて……」


「じゃあ、俺?」


こう言って、市原くんが冗談めかしたように笑う。


「もうっ、市原くんっ」


「はははっ。冗談。さっさと終わらせよ」


お互いの笑い声が教室に響く。

二塚くんのおかげで良い休憩になった。
それから一気に仕上げ、クラス委員最初の仕事は無事終了した。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


月曜日のお昼休み。

土曜日に仕上げた作業を職員室に持って行ったら、


「悪い。これも頼む」


今日配るというプリントの束と、ホッチキスを渡された。