教室の奥から聞こえた少し面倒くさそうな声。
窓際からこちらに振り返ったそのは、あの時に見た遠野さんのお姉さんなんかじゃない。
「えっ……」
入り口に立ち尽くしたわたしを、驚き全開で呆然と見つめる聡利くんだった。
(なんで聡利くんが……?)
「な、なんでっ?」
「あのね、遠野さんが髪の毛をセットしてくれるように頼んでくれるって……」
まさか聡利くんだとは思わなかった。
困惑気味に答えたわたしに、聡利くんはやっぱり気まずげに顔をしかめている。
「今日の遠野さんの髪の毛、聡利くんがやったの?」
「……はい」
こう尋ねれば、聡利くんの表情はますます引きつっていく。
「すごいねっ! わたしなんて自分の髪の毛だって扱えないのに……」
だから、わたしは思ったままを素直に声に出した。
髪は伸ばしているものの、ろくにアレンジ出来るワケじゃないし……。
だからわたしは心底、聡利くんがすごいって感じる。
窓際からこちらに振り返ったそのは、あの時に見た遠野さんのお姉さんなんかじゃない。
「えっ……」
入り口に立ち尽くしたわたしを、驚き全開で呆然と見つめる聡利くんだった。
(なんで聡利くんが……?)
「な、なんでっ?」
「あのね、遠野さんが髪の毛をセットしてくれるように頼んでくれるって……」
まさか聡利くんだとは思わなかった。
困惑気味に答えたわたしに、聡利くんはやっぱり気まずげに顔をしかめている。
「今日の遠野さんの髪の毛、聡利くんがやったの?」
「……はい」
こう尋ねれば、聡利くんの表情はますます引きつっていく。
「すごいねっ! わたしなんて自分の髪の毛だって扱えないのに……」
だから、わたしは思ったままを素直に声に出した。
髪は伸ばしているものの、ろくにアレンジ出来るワケじゃないし……。
だからわたしは心底、聡利くんがすごいって感じる。

