そして、


「えっ……」


「手芸部の娘に教えてもらったんだ。作り方」



どこから取り出したのか、造花と白いレースで作ったベールをふわっと頭に被せてくれる。



どうやら、わたしが熱で寝込んでる間に作ってくれたみたい……。



「立ち尽くして動けなかった僕の手を引いてくれたのは……キミだよ」


「先輩……」



わたしの左手を握り、薬指の付け根に軽く口付けを落とす。


驚きの連続で目を見張ったわたしに、



「何年後なんて言えないけど……いつか、僕と結婚しよ?」



こう囁いて、今度はおでこにキス。


真っ赤になったわたしを真っ直ぐに見つめ、


「愛都、キミが大好きだよ」



今度の優しいキスは、わたしの唇を包み込んだ。



いつかはわからないけど、本当に神様の前で永遠の愛を誓う日が来たら……わたしはきっとこのベールを着けるだろう。



そして、


「わたしもアナタが大好きです」



一生優申先輩から離れないって、約束します。



永遠に続く約束を……。



-優申編END-