先輩の吐き出した更紗さんへの本音。
それは今のわたしの心境にあまりに近くて、好きな人の支えになれないことがどんなにもどかしいか……痛い程わかる。
(でも、わたしの痛みなんて二年間ずっとここで更紗さんを想い続けた優申先輩なんかとは比べものにならない)
更紗さんを想うあまりに苦しむ優申先輩を救えるのは……彼女しか居ないのではないか。
悔しそうな先輩を目の前に、心のどこかでわたしはそんなことを思っていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
今日は、穏やかな春の気候を打ち消すような冷たい雨が朝から降っていた。
少し寒気がするのは、そんな天気のせいだろうか……。
いくら降っても降り止まないそれは、まるで優申先輩の心みたいだ。
どんなにわたしが傘を差しだそうと、受け取ってはもらえない……。
(今日もダメだったら潔く諦めよう)
そんな決意を胸に開いた旧音楽室のドアから、わたしは久しぶりにあの優しい笑顔を見た。
入り口から現れたわたしに、大好きな笑顔を浮かべた優申先輩は、
「更紗から手紙が届いたんだ」
わたしを奈落の底に突き落とした。
それは今のわたしの心境にあまりに近くて、好きな人の支えになれないことがどんなにもどかしいか……痛い程わかる。
(でも、わたしの痛みなんて二年間ずっとここで更紗さんを想い続けた優申先輩なんかとは比べものにならない)
更紗さんを想うあまりに苦しむ優申先輩を救えるのは……彼女しか居ないのではないか。
悔しそうな先輩を目の前に、心のどこかでわたしはそんなことを思っていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
今日は、穏やかな春の気候を打ち消すような冷たい雨が朝から降っていた。
少し寒気がするのは、そんな天気のせいだろうか……。
いくら降っても降り止まないそれは、まるで優申先輩の心みたいだ。
どんなにわたしが傘を差しだそうと、受け取ってはもらえない……。
(今日もダメだったら潔く諦めよう)
そんな決意を胸に開いた旧音楽室のドアから、わたしは久しぶりにあの優しい笑顔を見た。
入り口から現れたわたしに、大好きな笑顔を浮かべた優申先輩は、
「更紗から手紙が届いたんだ」
わたしを奈落の底に突き落とした。

