次の日。私は、戸の隙間から差し込む光で目を覚ました。
カラカラカラ…外は朝特有の澄んだ空気で包まれていた。
無意識のうちに、私の目はお隣の家に向けていた。
彼はもう、起きたのだろうか。その戸から、彼が出てくることを望み、じっと見つめた。
しかし、出てくることはなかった。
「まだ寝てるのかな…」
学校の時間が迫っていたので、私は家の中へ戻った。
その後、学校へ登校するときも、学校が終わり帰ってくるときも、友達と遊びに行くときも、お隣の戸が気になっていた。
でも、彼がその戸から出てくることは一度もなかった。次の日も、その次の日も。
もう彼は戦争へ行ってしまったのだろうか。彼にはもう会えないのだろうか。
あの運命の日から5日が経った夜だった。なんだか切なくて、辛くて、涙が出そうになった。母に見られぬよう、外に出た。