極上御曹司に求愛されています


「だけど、修くんとは長く付き合ったわりには……。それに就職してからは忙しくて会えなくて……んふっ」
 
呼吸の合間に口にする芹花の言葉を聞きたくないのか、悠生は強引に唇をふさいだ。

「今、前のオトコの話をするか? 普通」
 
呆れたような声に、芹花は納得する。

「ごめんなさい。でも、慣れてなくて息が苦しくて。悠生さんは慣れてるからいいけど」
「は? なんで慣れてるんだ?」
 
呆れているうえに怒ったのか、鋭い声音に芹花は体を震わせた。

「だって、その。イケメンで、御曹司だし。ネットで見たら、女性とも色々書いてあったし。さすが有名人だなって思ってて」
 
口ごもる芹花に、悠生は大きく息を吐き出し視線を天井に向けた。

「イケメンって言われても、それは両親の遺伝子のおかげ。兄さんは俺以上にいい遺伝子をもらって実業界のプリンスって言われてるし。御曹司なのも俺の力じゃない。ちょっとでも気を抜いてミスをやらかせばバッシングを浴びる。そうならないために努力してるし必死だ。今は銀行で働いてるけどいずれは兄さんのサポートに就く。それに見合う力がないと見なされればどの会社に飛ばされるかわからない。たしかに失業することはないだろうから恵まれてるといえばそうなのかもしれないけどな」