極上御曹司に求愛されています


芹花は綾子からのメッセージを何度も読み返し、とんでもないことになってしまったと頭を抱えた。
元の同級生に広まれば、悠生との関係が完全に誤解されてしまう。
困り果てた芹花に追い討ちをかけるように、綾子からのメッセージが続いた。

【披露宴の服は、木島悠生に選んでもらえばいいんじゃない? 芹花は磨けば光るに違いないんだからセンスがいい服を選んでもらえばいいのよ】

芹花は何度もそのメッセージを読み返し呆然とした。まさか服を選んでもらうわけにはいかないのだ。
おまけに、綾子は本気で芹花と悠生の仲を誤解しているようで頭が痛い。

「悠生さんに迷惑がかかったらどうしよう」

悠生との写真を軽はずみに送ってしまったことを心底後悔する。
広まれば悠生の立場に影響が出るかもしれないと思い、芹花は落ち込んだ。
綾子のメッセージには、しばらくの間は悠生の写真を拡散しないと書いてあるが、それもいつどうなるかわからない。

「本当、私ってバカ」

芹花は一晩中悩み、眠れないまま夜明けを迎えた。