極上御曹司に求愛されています


芹花は悠生と一緒に撮った写真の中から一枚を選び、最後まで悩みながら綾子に送信した。
恋人がいると思ってもらえれば、これ以上心配されることもないだろう。
芹花は、悠生と撮ったばかりの写真を利用させてもらうことにした。
芹花への同情や心配がなくなれば、礼美への怒りも多少は収まり、イヤイヤながらも披露宴に出席するに違いない。
この先悠生と会うことはないだろうし、ばれることはないはずだ。
それに、一枚でも送っておけば、綾子も納得してくれるだろうし。

「とにかく今日は寝よう」

悠生との食事に右往左往し、目まぐるしかった一日の疲れはかなりのもの。
重い体でゆっくり立ち上がる。
すると、手の中のスマホに再び綾子からのメッセージが届いた。

【これって木島悠生でしょ? こんな大物とどこで知り合ったの? 今度追及するけど、とにかくでかした。馬鹿野郎オトコなんて目じゃないね。これからもこの大物とのラブラブ写真をどんどん送ってきてよ。待ってるからね。あ、しばらくの間はみんなに見せるのはもったいないからこの写真は私ひとりで楽しむことにする。ほんとに男前。でも、とりあえず芹花に極上の恋人ができたってことは速攻で連絡しておくから】

「あ……そっか。悠生さんって、有名人だった……どうしよう」