悠生は相手の女性は誰だとうるさく問い詰められているかもしれない。
それだけでなく、付き合いを反対されているかもしれない。
反対されなくても、会社になんのメリットもない芹花との交際を喜んでもらえるわけもない。今頃悠生はどうしているんだろうかと心配になる。
すぐにでも会いたいが、週刊誌に写真が載れば、それこそ会うことは難しくなるだろう。
「さっき木島の広報の人が電話でぼやいてたよ。ネットニュースで竜崎楓と熱愛か、なんて記事が出て、次は天羽さんとの写真。どれだけマスコミ対応しなきゃならないんだって戦々恐々って感じだった」
「……私と竜崎さんじゃまるで違いますけどね……。スーパーモデルと地味なOLじゃ、どっちが悠生さんにふさわしいかなんて、一目瞭然です」
俯き明らかに落ちこむ芹花に、三井と橋口は顔を見あわせた。
「ふさわしいかどうかは木島君が決めることだ。男性の誰もがスーパーモデルを選ぶわけじゃない」
芹花を励ます三井に、芹花は厳しい視線を向けた。
「竜崎さんに会って有頂天になってた人の言葉とは思えませんけど」
「いや、それは、また別の話で……はは。天羽さんは厳しいなあ」
三井は頭に手を当て、乾いた笑い声を上げる。
その姿がおかしくて、芹花はくすりと笑った。

