「やっぱりキレイでしたね、竜崎楓」
「ああ、俺が橋口ぐらいの年だったら即、口説いてるんだけどな」
「あーあ、もう少しゆっくり話がしたかった。必要最低限の打ち合わせだけでスタジオを追い出されるなんて残念すぎる」
ビールを片手に橋口と三井が嘆いている。
芹花は二人の向かいに座り、沈む気持ちがばれないように明るい表情を浮かべた。
「憧れる気持ちは私もよーくわかりますけど、橋口君には彼女がいるし、三井先生にはキレイな奥様がいらっしゃいますからね」
「わかってるよ。俺の奥さんはどんなスーパーモデルも敵わない美しさと気の強さで俺を独占中だ。それを気分よく堪能してるから安心しろ。だけど竜崎楓が目の前にいたら、気持ちが上がるのは仕方がない」
三井ははっと笑い、大きく切り分けたステーキをおいしそうに頬張った。
ここでも食を楽しむ芹花は健在だ。
楓との打ち合わせを終えた三人は、三井お気に入りのステーキハウスで食事をしている。
仕事を終えてすぐに楓を訪ね、普段経験することのない緊張感を味わった三人はかなりお腹がすいていた。
お酒も入り、三人はようやく人心地をつくことができた。
「だけど、天羽が竜崎楓と顔見知りだったとは、今年一番の驚きだな」
グラスのビールを飲み干し、橋口がしみじみと呟く。三井も頷いている。
「それに、木島悠生と付き合ってるなんて、水臭いよな、同期なのに」
「違うから。あの、たしかに知り合いだけど、ちょっと事情があって……」
慌てる芹花に、橋口は拗ねた視線を芹花に向けた。
「俺と彼女のことはよく聞くくせに」
「それは、橋口君が自慢の彼女のことを話したくてたまらないからでしょう? まあ、聞いていて楽しいからいいんだけど」
「俺は彼女ひと筋で大好きだから言いたくてたまらないんだ。だけどさ、天羽だって言ってくれてもいいだろ? 俺は寂しいよ」
お酒が回ったのか、橋口は大げさにがっくりと肩を落とした。
「ああ、俺が橋口ぐらいの年だったら即、口説いてるんだけどな」
「あーあ、もう少しゆっくり話がしたかった。必要最低限の打ち合わせだけでスタジオを追い出されるなんて残念すぎる」
ビールを片手に橋口と三井が嘆いている。
芹花は二人の向かいに座り、沈む気持ちがばれないように明るい表情を浮かべた。
「憧れる気持ちは私もよーくわかりますけど、橋口君には彼女がいるし、三井先生にはキレイな奥様がいらっしゃいますからね」
「わかってるよ。俺の奥さんはどんなスーパーモデルも敵わない美しさと気の強さで俺を独占中だ。それを気分よく堪能してるから安心しろ。だけど竜崎楓が目の前にいたら、気持ちが上がるのは仕方がない」
三井ははっと笑い、大きく切り分けたステーキをおいしそうに頬張った。
ここでも食を楽しむ芹花は健在だ。
楓との打ち合わせを終えた三人は、三井お気に入りのステーキハウスで食事をしている。
仕事を終えてすぐに楓を訪ね、普段経験することのない緊張感を味わった三人はかなりお腹がすいていた。
お酒も入り、三人はようやく人心地をつくことができた。
「だけど、天羽が竜崎楓と顔見知りだったとは、今年一番の驚きだな」
グラスのビールを飲み干し、橋口がしみじみと呟く。三井も頷いている。
「それに、木島悠生と付き合ってるなんて、水臭いよな、同期なのに」
「違うから。あの、たしかに知り合いだけど、ちょっと事情があって……」
慌てる芹花に、橋口は拗ねた視線を芹花に向けた。
「俺と彼女のことはよく聞くくせに」
「それは、橋口君が自慢の彼女のことを話したくてたまらないからでしょう? まあ、聞いていて楽しいからいいんだけど」
「俺は彼女ひと筋で大好きだから言いたくてたまらないんだ。だけどさ、天羽だって言ってくれてもいいだろ? 俺は寂しいよ」
お酒が回ったのか、橋口は大げさにがっくりと肩を落とした。

