葬式が一通り終わり、みんな外へではじめた。
辺りはもう、真っ暗だ。
「ねぇねー!カラオケ行かねー?みんなで!」

南の声が響いた。周りの大人はもう居ない。

そして4組の連中が続けて、

「あー、行くわー俺!」
「うちも、うちも!」

と、はしゃいでいる。

「なあ、そなたはどうする?」
ぽんっと僕の肩を叩き、尋ねてきたのはクラスメイトの村口 桜摩だった。
「あー、んー僕はいいや。母さん怒るし。」
「マザコンかよ。」
「ちげーし。」
そんなくだらない会話をして僕と桜摩はホールを後にした。
「あ、雨」
こんな時にタイミングが悪すぎる。
「傘持ってねーし・・・」
「じゃ、カラオケだな。」
強制送還かよ・・・と、突っ込む代わりにため息をついてやった。
「でもカラオケ行くまでに濡れるから一緒じゃね?」
桜摩の一言にはっとした。
「いかねー。」
そう言って大雨の中家まで走り去った。
「待って!」と、桜摩の声がしたが雨のせいで聞こえなかったという事にしとこう。