デートが終わっても、もっと一緒に優香里といたい。

翼は、そう感じていた。

苦しい、胸が痛くて涙が出た。

3ヶ月後には無色の世界が待っているかと思うと苦しかった。

ずっと好きでずっと一緒にいたい人がいるのに…。

そんな時にスマホが鳴った。

優香里からだった。

「どうしたの?」

涙を拭って…。

「泣いてるの?」

「泣いてないよ。」

「嘘つき。わたしには分かるんだから。」

「俺…。3ヶ月でさよならなんて出来ないよ。」

「ごめん。わたしも。」

「泣いてるの?」

「泣いてる。」

「会いに行く。」

さっき会ったばかり小学生の時からずっと一緒。

なのに何て臆病者なんだろうか。

好きな人と手を繋いでずっと歩いて行く。

走って走った…。


優香里が泣きながら家から出てきた。

お互い涙でぐちゃぐちゃになって抱き合った。

おでこをすりあわして目を見つめ合った。

「どこにも行かないで。」

「行きたくない。ずっと翼と一緒にいたい。」

「どこにも行かないで!」

「でも、無理なの連れていけない。」

「何でだよ?」

「一人でいかなきゃいけないの?」

「それが運命だから。」

翼と優香里はキスをした。

一生分のキスするように。