大学にも馴れた時に優香里を翼はキャンバス内で目撃した。

少し大人っぽくなった優香里を見て呆然としてしまった。

「翼。久しぶり。」

「久しぶりって…。」

「ごめん、黙って消えて。」

翼は、混乱した。

「3ヶ月って言ったのに2ヶ月で転校しちゃって。」

「あれからどうしてたの?」

「海外に行って一生懸命勉強してT大学に合格した。なんとなく翼に再会出来ると思って。」

「そっかあ、」

「翼は、誰かと今付き合ってる?」

「…いや付き合ってないよ。」

「良かったらわたしとまた付き合ってよ。」

「ちょっと考えさせて。」

最低だ…嘘をついた。

「大学はどう?」

翼と舞はファミレスで食事を取っていた。

「うーん、人がたくさんで酔いそうだよ。」

「翼は、人混み苦手だもんね。」

翼は、罪悪感を心に秘めていた。

優香里に連絡先もお互い交換した。

【翼は、人混み苦手だから大学は辛くない?】

同じような事を優香里に聞かれた。

選ぶ権利なんてない。

舞と一緒に乗り越えて来た過去がある。

今さら優香里と付き合えない。

優香里の身勝手に振り回されるのはもうあの日、舞と抱き合った日に捨てたはずだった。

「舞は、どう短大は?」

「うーん、4年制と比べるとキツキツなスケジュールかな。」

「そんな中で居酒屋のバイトしてて偉いよ舞は。大丈夫?」

「全然大丈夫だよ。いつも翼の事を思い出すと何でも出来る気がするんだよね。」

舞は笑顔で言った。

こんなに自分を思ってくれていた舞に翼はキスをした。

「外では恥ずかしいよ。」

少し困った顔をして舞は、言った。

何故か翼はすごいキスがしたくなったのだ。

そのまま一人暮らしの部屋に舞を連れてって翼は舞を抱いた。

「今日は、いつもと違う。」

と舞が言うとむさぼるように優香里を忘れるように激しく舞の体を求めた。

朝、翼が起きると舞の姿はなかった。

そのかわり置き手紙が書いてあった。

机の上に置いてある手紙を読んで嬉しくなった。

【冷蔵庫に朝食が入っているから食べてね。】

そんな時に優香里からスマホに連絡が入った。

【今日の一般教養一緒に授業に出ない?】

少し迷ったが了解とメールを送信した。