~奏side~

屋上に着いていつもの椅子に腰掛ける。

あの子なんだったんだろう。

少し、少しだけだけど、俺と同じ匂いを感じた。

そんなことを思っていると湊音が

「あいつのこと調べろ」

なんて言ってきた。

湊音は女の子になんか興味なんて無いはずなのに

やっぱり彼女はなにかあるんだろうな


調べてみると、特に変わった情報は入ってこなかった。

明るくて友達の多い、よくいる女の子。

俺が思っていたのは勘違いだったのかな?


でも湊音は無理して笑ってるって言う。

湊音は人を見抜く力があるからきっとそれは間違っていない。

俺だって湊音に救われたからここにいるんだ。

じゃああの子はきっと俺みたいに、いや、俺以上に辛い思いをしているんじゃないか。

そうだとしたら助けてあげたいな。