4月、桜が舞うこの季節に、私はこの、「桜木高校」に入学する。


この学校は全国屈指の不良校で生徒のほとんどが全国NO.1の「胡蝶」っていう暴走族に入っているらしい。



校舎を見てみると、不良校だというのに壁の落書きもなく、窓ガラスだって1つも割れていなかった。


そんな光景に驚きながら歩いていると何かに躓いて、こけそうになる。


次にくる衝撃に備えて目を瞑るも一向に痛みはやってこない。

何故だろうと目を開けてみると誰かに右腕を掴まれていた。

掴まれた右腕には昨日の痛みが残っており思わず顔を顰めてしまった。


そんな私に怪訝な顔をしながらも、

「大丈夫か？」

声をかけてくれた人の顔を見るとこの世のものとは思えないくらい綺麗な顔立ちの男がそこにいた


呆然としていると、

「おい」

と、また声をかけられ、

私は慌てて笑顔を作り、

「すみません、大丈夫です。助けて下さって
ありがとうございました。」

言い終わったあと、足早に校舎の中へ駆けて行った。