いつかの君を思い出すとき

『 4月8日(月)晴れ
今日から高校2年生。私には今を楽しむしかない。高校生活、楽しもう！
同じ班に仲良くしたいなぁって気になってた男の子がいた。
まさか同じクラスになれるとは思わなかったから、嬉しかった！嬉しいってこんな気持ちなんだね。
これから仲良くなりたいな！
中学の頃からの親友とも同じクラスだった！絶対、今年は楽しいこといっぱい起きる気がする！
学校に行くのが少し楽しみ♡』

気持ちをリセットという意味も込めて、高校2年生になった日から日記を始めた。

この時はただ彼と友達になりたいと思っていただけだった。

いつの間にか目で追っていて、彼で頭がいっぱいだった。

これが好きということ。恋だと気づいた。

今まで何度か恋はしてきたけれど、こんなにも痛いほど実感するのは初めてだった。私の初恋。

私の初恋の彼は河森 悠大。

クラスの中心なわけでもない。
かと言って影にひそんでいるようなタイプでもない。
中心よりの絶妙なポジションに位置している人。

影にひそむようにそっとしている人にもクラスのリーダー的存在の人にも男子も女子も関係なく本当に、誰にでも優しい人。

そんな彼を見ていると心が温かくなっていく気がした。