「私は、頼りない王様であろう?」
膝まついている大臣たちの顔を見ながら言った。
大臣たちは動揺した表情で、お互いを見合っている。
「お前たちが思っている通り、私は頼りない王様だ。父様から何も教わることもなく、今まで姫として生きてきた。王としての決断力も、皆をまとめる力もない。けど、これからは私が王としてこの国を守っていかなければならない」
私が王として、やっていかなければいけないことー…
「それには、皆の協力が必要なんだ。これ以上、犠牲者を増やさないためにも、この東国が生き残っていくためにも」
それは、王としての威厳を守ることではない。
「明日、北国の国境の村に改めて向かう。私自身が現場の状況を見て、今後の対策を指示する。それまで、待っていてくれ」
大臣たちに…
国民たちに、王として認めてもらうことだ。



