「北国との国境近くの村が襲われました!!死者は多数との報告が上がってきております!!」


「!?」


警備兵の言葉に衝撃が走った。


「なんだと!?まさか、また北国か!?」

「応援は向かっているのか!?」


大臣たちは立ち上がり、警備兵に向かって怒鳴っている。



「…」


まさか、またー…


呆然としていると、風が警備兵に指示を出した。


「副長に、すぐに現場に向かうように伝えろ」

「はっ」

風が指示を出すと、警備兵は慌てて部屋から出て行った。


大臣たちの間で怒号も飛び交っている中、風が隣に戻ってきた。



「…王様、大丈夫ですか?」

風が隣に膝まつき、そう聞いてきた。



「あ…あぁ」

呆然としている場合じゃない。
今はまだ大臣たちの前だ…
いや、その前に今後の対策を考えなければー…


「王様!どうするおつもりですか!?」


ビク!


俯いて考え込んでいた顔を上げると、大臣たちと目が合った。

皆、私を見ている。




「あ…」



何か答えなければ…




王として、指揮をとらなければ…