「後に、我が国との縁談話は、始めから破談にするつもりだったからお気になさらないでください」


「…始めから?」

老婆からは、母様が破談にしたと聞いていた。


「先代の王様…花蘭女王様のお父様と、我が国の王との約束だったみたいです。北国との問題が解決したら、縁談話はなかったことにするようにと」

父様が、そんなことをー…

「我が国にとっては何のメリットもないことですが、先代の王様と我が国の王はとても友好的な関係で、昔からよくお互いの子供の話をしていたそうです。その中で、花蘭女王様と護衛長との結婚をとても嬉しそうにお話されていたみたいです」



母様も言っていた。
父様は、結婚式を楽しみにされていたとー…



「我が国の王も、その話を覚えていたみたいで、北国との関係が悪化する前に、そう言った話を我が国の王にしていたと仰っていました。ですから、我が国としては先代の王様との約束を守ったまでです」



父様は先の先まで読んで、先手を打っといてくれた。

だから、私が王として今もやっていけてる。