「北国に勝てたのはいいが、王様があの状態では…」

「今はお妃様が戻って来られて、代理を務めていらっしゃるが…いつまでも代理のままでは、次は他の国に狙われるかもしれん」

「いや、しかし…西国の王子との縁談は受けたのであろう?だったら、大丈夫じゃないか」

「王様がああなってしまったのは、風のことだろう?いくら国のための結婚とはいえ、王様のお心には風しかいない。破談にされてしまうのも、時間の問題だろう…」





大臣たちがそんな噂をしているとは知らず、北国の王との戦いを終えてから1ヶ月、私はずっと王室に閉じ籠っている。




王としての職務もせず、王室には誰も近寄らせず、ずっと一人で過ごしている。