ハァハァ
「俺は…俺の役目をやり遂げる」
花蘭様の隣に立つのは、たとえ俺でなくても。
ハァハァ
「東国のため…花蘭様のため…俺は…お前を殺す…」
もうこれ以上、花蘭様が傷つかないように。
悲しまないように。
村人が埋葬された場所でしゃがみ、手を合わせてる姿などもう見たくない。
あんな小さな背中でこの国を背負っていると思うと、今あの時のことを思い出しても胸が締め付けられる。
もう、あのようなことは起こってはいけない。
そのためには今、目の前にいる北国の王を消さなければならない。
目を閉じ長く息を吐くと、狙いを定める。
「はははっ。私を殺すと言いながらもう限界ではないか?」
高笑いした北国の王の声で目を開け、重く感じる剣を思いっきり振りかざした。
「お前ごときに、この東国は壊せない!!」
これが、俺の最後の力だ。



