「花蘭女王様!」


風に連れられ、カイトの元に戻ってきた。


「無茶をなさる…」

カイトが心配そうに顔を覗き込んできた。


「…すまなかった」

風の背中に回していた手を離す。


「カイト様、西国の護衛兵を援護につけて下さい」

「あぁ。もちろん」

「ありがとうございます。では、王様。安全な場所でお待ち下さい」

「あ…待って!!風っ」


風は早口で喋ると、西国の護衛兵数人を連れて再び北国の王の元に戻って行った。



「…もう」

私の話を聞いてよっ!


と思いながらも、風が生きていたことが嬉しくてたまらない。


良かった…本当にー…


頬に流れ落ちる涙を拭おうと、手で頬を触ろうとした時ー…








「…え?」






両手が真っ赤に染まっていることに気付いた。