あれー…


痛くない?




固くつぶった目を開け、自分の身体を見た。

血は…出ていない?


どうしてー…



「!」


「花蘭様、ご無事ですか?」


目の前を見ると、見覚えのある背中。


「あ…」


目の前にいる者は、振りかざされた剣を受けている。


「一時、カイト様の元まで戻ります」


顔は見えないが、この背中…声で誰かはわかる。









「…風」



まだ何も終わっていないのに、涙が出た。









風だー…






風が生きていた。