「廊下で話すことではないでしょう。警備兵、そこの部屋を開けなさい」


老婆の声にハッとし、呆然としてしまっていた意識を戻した。


「王様、どうぞ」

警備兵が頭を下げ、部屋の扉を開けている。

「私が先に入ります」

風は立ち上がりそう言うと、部屋を確認をしながら先に入って行った。


「王様」

「あ…あぁ」


老婆に入るよう促され、やっと一歩を踏み出し部屋へと入った。

その後ろを、老婆も付いてくる。

「人払いを。会議には少し遅れると、副長に伝えよ」

「はっ」


風が部屋の中から警備兵に指示を出すと、静かに扉が閉まった。