姫は王となる。




老婆と副長が一歩後ろに立ち、子供たち3人は私と向かい合わせになっている。



子供たちとの距離は、2メートルほど開いてしまっている。




「…昨日は、よく眠れた?」


優しく話し掛けるが、返答はない。
昨日傷を負った所には、包帯やガーゼが貼られていて、見ているだけで痛々しい。


「…傷は、痛くない?」


そんな子供たちの姿を見ていると、胸が苦しくなる。


「何か、欲しいものや食べたいものはない?もし、欲しければ…」


「…何で、王様が泣いてるんだよ」

ビク!

…え?


泣いてる?




一番大きな子供に言われ、自分の頬を手で触ると濡れていた。



…私ー…


涙で濡れた手を見て、言葉を失う。


「王様に向かって、その口の聞き方は改めなさい。昨日、敬語を使いなさいと教えたはずですよ」

老婆が子供たちに向かってそう言うと、3人は罰の悪そうな表情を見せた。