僕は………今から3年前

大学2年の頃に………本気の恋をしていた。




彼女の名前は、伊藤唯ちゃん。

明和女子大学の短大生で、保育科に通っている。

化粧っけのない、素朴な女の子で

おめめはパッチリとして、口も小さく

色白で頬はほんのりピンク色。

素っぴんなのに、お人形のように可愛らしい。

だけど僕が気になったのは、その見た目ではない。

もちろん可愛いから、目に入ったんだけど

心に引っ掛かったのは

彼女の学校の運動会での行動だ。




偶然見つけた保育科の運動会のポスター。

一般参加を募集してるものだった。

僕は、近所の大学に通い教師を目指しているし

もちろん、女子大学と言うものにも興味はある。

そこで、友達数人に声をかけて参加することにした。

行ってみると

子供たちに女の子目当ての男達、近所の大学生と

様々な人が集まっていて、それなりに賑わっていた。

女の子達も、それなりに楽しんで

男達にかけられる声にも、笑顔で対応していた。

ただ一人を除いて。

彼女、唯ちゃんだけは違っていた。

可愛い容姿に、声をかける男達も沢山いたが

一切ムシして……

時には、親の仇を見るような目で眺めていた。

初めは、チャラい男達を嫌っての態度かと思ったけど……

よく見ると

風船を渡す時も、声をかける時も………

絶対に触れないようにしていた。

どうやら彼女は、男が苦手なようだ。