"新着メール2件"


また広告メールかな…と思いつつ
メールを開く

1件は予想通り広告メール
でももう1件がーーー和田くん、から

ドキドキしながらメールを開ける
と、


“待っててほしい”


のメールだった

簡潔なメールだったが忙しい合間を縫って
打ってくれたのがよくわかる

私も一応簡潔に
“待ってる”
とだけ返信し、仕事に戻る


1ヶ月の出張が1ヶ月1週間になっただけ
また会えた時に今日する予定だった話を
きけばいい


結局仕事は分担したので少しの残業で済み
いつもと変わらない時間に真央の家に着いた


真央に
出張日が早まり今日からになったこと
今日する予定だった話は出張が
終わってからになったことを伝えた


「そっか、よかったね
これで慶も前に進めるね…1ヶ月以降にさ
それにしてもタイミング悪いねー」
ケラケラ笑う真央

「うるさいわね、仕方ないじゃない
それに落ち着いて会う方がいいし
私はこれでよかったと思ってる」

「はいはい
真面目なこってねー」

完全に茶化していることがわかったが
あの着信の時に真央の助け舟がなかったら
今もこじれたままだったのかな…と思うと
真央には感謝しかない

「真央、ありがとね
味方になってくれて」

「まぁ頼ってくれて嬉しかったし
久しぶりに弱った慶見たら…ね?」
優しい優しい、私の友だち

その夜私たちは謎の祝杯をあげ
朝まで呑み明かした


そして次の日
私は2週間ぶりに自分の家に帰ったのであった