次の日の朝

寝不足気味の目をこすって準備をする


気合いをいれるための
いつもよりほんの少し濃い化粧と
いつもより念入りに整えた髪


「よしっ」
たまたま今日は休みの真央を
起こさないように家を出る


もう慣れてきた自宅以外からの通勤ルートを
ゆっくり歩く


会社に着き今日のスケジュールを確認する
通常業務が多く何もなければ残業は少しかな


和田くんはどうなんだろうか…
忙しいのかな…
そう思い、和田くんのデスクを見るが
座っている様子はない


不思議に思っていると部長と一緒に
フロアに入ってくるのが見えた

少し難しい顔をしているのが気になる
何かあったの…?


「みんなちょっといいか?」
部長がフロア全体に聞こえる声で話をする
他の人もゾロゾロと部長の近くに集まってきた

「来週から和田に上海に行ってもらう
予定だったが少しトラブルがあってな
…出張時期が早まった」

フロア内が若干ざわつく

「いつからになったんですか?」
私の隣のデスクに座る同期の神田くんが聞く

「今、これからだ
飛行機が取れて和田の準備が出来次第
すぐの出発だ
和田が抱えていた仕事割り振るから
みんなしっかり頼むぞ」


「「はい」」

ざわざわしつつも部長が話終わると
各々デスクに戻っていく


私も例外なく仕事の予定に都合をつけ
手分けして和田くんの分を手伝った

あっという間に時間が経ち
「みんな急に仕事増やしてすまない
これ差し入れだから分けて食べてくれ」
という部長の声で我に返った


部長の差し入れを食べつつ少し休憩し
ずっとカバンに入れっぱなしの携帯を見た