和田くんがなかなか話さないし
私も何て言ったらいいかわからないし
2人の間に少しの沈黙が走る
やっぱり電話なんて出なきゃよかった
なんて考えていると
「…はぁ」
携帯から聞こえたのは和田くんのため息で
「…どうしたの？」
私はびっくりして問いかけた
「安心した
もう一生話してくれないのかと思った」
「そんな訳ないじゃない」
「なら、なぜ俺の話を無視したのか
お聞きしたいもんだが…やめとくよ
お前黙りこむだけだろうし」
「…ごめん」
きっと和田くんの予想通りの結果になる
と、私でも思う
「そんな話しようと思ってたんじゃなくて
とりあえず、明日会おうぜ
顔見て話がしたい」
「…良い話？」
「さぁな、捉え方による」
「…そっか。わかった
じゃあ明日仕事終わりにいつもの店で」
「おぅ
…わかってると思うけど、逃げんなよ」
「じゃ、明日また」
こっちから電話を切る
明日、明日、明日
困ったような
嬉しいような
不安なような
色んな感情が混ざり
その日はよく眠れなかった
