握りしめた両手が白くなる頃、カバンの中のスマホの振動に気が付いた。
振動はすぐに止まったから電話ではない。
ーー何これ。
ライン、メール、着信、各々10件以上入っている。
嘘でしょ、誰?
慌てて開くと全て山下さんからのものだった。
今日樹先輩がうちの大学に来ることを知った山下さんが慌てて私に連絡しようとしてくれていたらしい。
朝からマナーモードにしていた私はこれに全く気が付かなかったわけだ。
ライン画面が既読になったことに気が付いたらしい山下さんから『電話する』とメッセージが入ると同時に電話がかかってきた。
「あの、今気が付いて・・・連絡ありがとうございました」
「もっと早くに知っていたらよかったんだけど、今どこにいるの?大丈夫かな?」
「それがですね、実はもう会っちゃいました」
「え、遅かったか。ごめん、役立たずだったね」
「いえ、山下さんはこんなに連絡取ろうとしてくれていたんですから。気が付かなかった私のせいだし。それに、私が見つけただけであっちは気が付いてませんから大丈夫です」
「そう?よかった」
「これからも彼、何度かここに来ると思うよ。今度のイベント、柴田が中心になって企画してるから手伝わされるんじゃないかな。俺はゼミの関係で今回のイベントは関与してないから詳しく聞いてないけど」
「・・・そう、なんですね」
思わず、大きなため息が出てしまった。
これからしばらくひやひやしながら登校しないといけないのかと思うと気が重くなる。
振動はすぐに止まったから電話ではない。
ーー何これ。
ライン、メール、着信、各々10件以上入っている。
嘘でしょ、誰?
慌てて開くと全て山下さんからのものだった。
今日樹先輩がうちの大学に来ることを知った山下さんが慌てて私に連絡しようとしてくれていたらしい。
朝からマナーモードにしていた私はこれに全く気が付かなかったわけだ。
ライン画面が既読になったことに気が付いたらしい山下さんから『電話する』とメッセージが入ると同時に電話がかかってきた。
「あの、今気が付いて・・・連絡ありがとうございました」
「もっと早くに知っていたらよかったんだけど、今どこにいるの?大丈夫かな?」
「それがですね、実はもう会っちゃいました」
「え、遅かったか。ごめん、役立たずだったね」
「いえ、山下さんはこんなに連絡取ろうとしてくれていたんですから。気が付かなかった私のせいだし。それに、私が見つけただけであっちは気が付いてませんから大丈夫です」
「そう?よかった」
「これからも彼、何度かここに来ると思うよ。今度のイベント、柴田が中心になって企画してるから手伝わされるんじゃないかな。俺はゼミの関係で今回のイベントは関与してないから詳しく聞いてないけど」
「・・・そう、なんですね」
思わず、大きなため息が出てしまった。
これからしばらくひやひやしながら登校しないといけないのかと思うと気が重くなる。



