恵美さんが帰宅したら物音で分かる。
それに声は聞こえないと言ったけれど、複数人の話し声は意外にわかるものだ。物音だって二人いたらもっと違って聞こえるはず。
ただ、恵美さんが本当に男性と一緒に暮らしていたら私は山下さんに何も教えなかっただろう。
プライベートなことだし。
でも、恵美さんが一人暮らしであることは間違いないし間違いを否定した方がいいと思ってしまったんだけど・・・これでよかったんだろうか。
言ってしまって不安になった私と反対に山下さんの表情は明るくなり「そうか」とポツリと小さな声が聞こえた。
「ありがとう。聞きたかったのはそれだけなんだ」
さあ飲んで、と勧められても気になってしまう。
「私を呼びだしたのってそれが聞きたかったってことですか?」
「え、うん。そうだけど」
さっきまでの緊張した雰囲気はすっかりなくなっている。
「あの、山下さんと恵美さんって?」
「同級生だよ。そう聞いてない?そうだ、斎藤さんから俺のこと、何か聞いてる?彼女何か言ってなかった?」
質問の答えは質問だった。
「いえ、特に・・・」
視線を山下さんからソイラテに変えてストローに口をつけた。
恵美さんから山下さんのことは聞いていない。
聞きたかったけれど、山下さんの話になると恵美さんがなぜか見えない壁を作ってしまうので聞けなかったのだ。
普段、いいお姉さんって感じで気軽に話しができているのに、この山下さんのことだけは聞けない雰囲気だった。
だからこそ、二人の間に何かあると思ったのだけど。
「そうか」
山下さんは少し残念そうな顔をして自分のコーヒーに口をつけた。
それに声は聞こえないと言ったけれど、複数人の話し声は意外にわかるものだ。物音だって二人いたらもっと違って聞こえるはず。
ただ、恵美さんが本当に男性と一緒に暮らしていたら私は山下さんに何も教えなかっただろう。
プライベートなことだし。
でも、恵美さんが一人暮らしであることは間違いないし間違いを否定した方がいいと思ってしまったんだけど・・・これでよかったんだろうか。
言ってしまって不安になった私と反対に山下さんの表情は明るくなり「そうか」とポツリと小さな声が聞こえた。
「ありがとう。聞きたかったのはそれだけなんだ」
さあ飲んで、と勧められても気になってしまう。
「私を呼びだしたのってそれが聞きたかったってことですか?」
「え、うん。そうだけど」
さっきまでの緊張した雰囲気はすっかりなくなっている。
「あの、山下さんと恵美さんって?」
「同級生だよ。そう聞いてない?そうだ、斎藤さんから俺のこと、何か聞いてる?彼女何か言ってなかった?」
質問の答えは質問だった。
「いえ、特に・・・」
視線を山下さんからソイラテに変えてストローに口をつけた。
恵美さんから山下さんのことは聞いていない。
聞きたかったけれど、山下さんの話になると恵美さんがなぜか見えない壁を作ってしまうので聞けなかったのだ。
普段、いいお姉さんって感じで気軽に話しができているのに、この山下さんのことだけは聞けない雰囲気だった。
だからこそ、二人の間に何かあると思ったのだけど。
「そうか」
山下さんは少し残念そうな顔をして自分のコーヒーに口をつけた。



