駅のホームで上り電車を待っている間も二人で話し続けられることに幸せを感じる。
いつもの帰り道なら先輩は自転車で私だけが電車に乗る。
今日は最寄り駅までずっと一緒。
そんな時だった。
「いっくん」
不意に鈴を転がすような可愛い声がした。
驚いて声の方に顔を向けると、私と同じくらいの女子が笑顔で駆け寄ってくるところだった。
それはいかにも女の子らしい可愛らしい子で。ピンク色の花柄のシュシュがよく似合っている。
「あ、桜花(おうか)、偶然だな」
樹先輩は彼女に向かって親し気に返事をする。
桜花?誰?
”いっくん” ”桜花”って親し気に呼び合っているのだから、親しい関係なんだろうけど、それはどんな?
とりあえず顔は似ていないし、妹がいるとは聞いていない。
「ちょうどいいとこで会えたぁ」
桜花と呼ばれた彼女は樹先輩の顔を見て安堵したような表情に変わる。
「ねえ、いっくん。聞いて欲しい話があるんだけど」
そう言って彼女は首を傾け、すっと樹先輩の二の腕当たりの袖をつかんだ。
ええ?
その自然なボディータッチに唖然とする。
何、その距離感。
「どうしたの?」
つかまれた腕を離そうともせず、樹先輩も訝しみながらも優しく返事をしている。
いつもの帰り道なら先輩は自転車で私だけが電車に乗る。
今日は最寄り駅までずっと一緒。
そんな時だった。
「いっくん」
不意に鈴を転がすような可愛い声がした。
驚いて声の方に顔を向けると、私と同じくらいの女子が笑顔で駆け寄ってくるところだった。
それはいかにも女の子らしい可愛らしい子で。ピンク色の花柄のシュシュがよく似合っている。
「あ、桜花(おうか)、偶然だな」
樹先輩は彼女に向かって親し気に返事をする。
桜花?誰?
”いっくん” ”桜花”って親し気に呼び合っているのだから、親しい関係なんだろうけど、それはどんな?
とりあえず顔は似ていないし、妹がいるとは聞いていない。
「ちょうどいいとこで会えたぁ」
桜花と呼ばれた彼女は樹先輩の顔を見て安堵したような表情に変わる。
「ねえ、いっくん。聞いて欲しい話があるんだけど」
そう言って彼女は首を傾け、すっと樹先輩の二の腕当たりの袖をつかんだ。
ええ?
その自然なボディータッチに唖然とする。
何、その距離感。
「どうしたの?」
つかまれた腕を離そうともせず、樹先輩も訝しみながらも優しく返事をしている。



