一生に一度の結婚式ではなく、ホテルでこんな大掛かりなパーティーを開くお金持ちがいるということにちょっと驚きだ。
私の知らない世界だなぁ。
樹先輩の後に続いてプラネタリウムが設営されているという部屋に入っていくと、機材をいじっていた白いシャツの男性がすぐにこちらに気が付いて声をかけてきた。
「やぁ、ご無沙汰。お待ちしてましたよ、やっとですね。いや、本当にお待ちしてました」
「はい」親し気に声をかけられて樹先輩は少し恥ずかしそうに返事をしている。
「井本さん、今日は彼女と一緒に見せてもらいます」
樹先輩の腕が私の背中に回され私を紹介してくれる。井本さんと呼ばれた男性が白い歯を見せて顔を緩めた。
「林田さんからも聞いてますよ。はじめまして、スーパーノヴァの社長の井本です。わが社の誇るプラネタリウムにようこそ」
「初めまして。水口千夏です。今日はお世話になります」
井本さんは私をじっと見てくるのだけれど、その視線にいやらしさはなく純粋な興味という感じ。
「楽しんで下さいね」と言って私にニコリと笑顔を見せた。
「ありがとうございます」
私はその視線に戸惑いながらそうお礼を言うしかない。
「1年前に作ったプログラムだから最新作じゃないんだけれど」と言って井本さんは樹先輩になにか目配せしている。
「だから新しいので構わないと言ったのに」
樹先輩が顔をしかめた。
「いやいや、このプログラム彼女に見せなくてどうするの」
「ならそんなことわざわざ言わなくてもいいじゃないですか」
「いや、星好きならもしかしてこの情報はちょっと古いって思うかもしれないでしょ、そう思われたらこっちが悔しいんだよね」
「そういうこだわりはわかりますけど」
二人はずいぶんと親しい間柄らしい。ぽんぽんと会話しているけれど、私にはわからない話なので黙って立っているしかない。
私の知らない世界だなぁ。
樹先輩の後に続いてプラネタリウムが設営されているという部屋に入っていくと、機材をいじっていた白いシャツの男性がすぐにこちらに気が付いて声をかけてきた。
「やぁ、ご無沙汰。お待ちしてましたよ、やっとですね。いや、本当にお待ちしてました」
「はい」親し気に声をかけられて樹先輩は少し恥ずかしそうに返事をしている。
「井本さん、今日は彼女と一緒に見せてもらいます」
樹先輩の腕が私の背中に回され私を紹介してくれる。井本さんと呼ばれた男性が白い歯を見せて顔を緩めた。
「林田さんからも聞いてますよ。はじめまして、スーパーノヴァの社長の井本です。わが社の誇るプラネタリウムにようこそ」
「初めまして。水口千夏です。今日はお世話になります」
井本さんは私をじっと見てくるのだけれど、その視線にいやらしさはなく純粋な興味という感じ。
「楽しんで下さいね」と言って私にニコリと笑顔を見せた。
「ありがとうございます」
私はその視線に戸惑いながらそうお礼を言うしかない。
「1年前に作ったプログラムだから最新作じゃないんだけれど」と言って井本さんは樹先輩になにか目配せしている。
「だから新しいので構わないと言ったのに」
樹先輩が顔をしかめた。
「いやいや、このプログラム彼女に見せなくてどうするの」
「ならそんなことわざわざ言わなくてもいいじゃないですか」
「いや、星好きならもしかしてこの情報はちょっと古いって思うかもしれないでしょ、そう思われたらこっちが悔しいんだよね」
「そういうこだわりはわかりますけど」
二人はずいぶんと親しい間柄らしい。ぽんぽんと会話しているけれど、私にはわからない話なので黙って立っているしかない。



